介護の本質は高齢者の自立を支援するということ

介護は「きつい、汚い、給料が安い」の3Kだと言われたり、仕事のハードさばかりが取り上げられるなど、ブラックな業界だと誤解されがちです。でも実際に働いている人のなかには、やりがいがあると熱く語る人もたくさんいるのです。

実際の仕事内容について聞かれると「高齢者のおむつを取り換える、ごはんを食べさせる、着替えや入浴を手伝う」と答える人が多いのではないでしょうか。もちろん間違いではありませんが、いわゆる「お世話係」と考えてしまうからこそ、やりがいという以前にマイナスなイメージがついてしまうのかもしれません。しかし仕事の根幹にあるのは、単なる高齢者の身の回りの世話ではなく、〝高齢者の自立を支援する〟ことにあるのです。

そんな意識をもって仕事をしていれば、利用者や家族に笑顔が出てきて、ありがとうと感謝されます。元気のなかった利用者がどんどん元気になり生きがいを取り戻す姿を見ることもあるでしょう。たとえ死を迎えることになっても、思い通りの最期を迎えられ、安らかな表情で天国に旅立つという場面に立ち会うこともあるかもしれません。そんなときは役に立てたのだと実感できるはずです。

人はみんな最後まで自分らしく生きていたいもの。人間としての尊厳をなくしたくはありません。今は車いすだけれどもう一度自分の足で歩きたい、認知症だけれどできるだけ自分の力で生活したい、そんな最後まで自分らしくありたいと願う高齢者の夢を支援しているのだと気づいたとき時、本当のやりがいを感じることができるのではないでしょうか。